光散乱検出器

材料による光の散乱を調べると、材料の挙動に関するさまざまな洞察が得られます。

粒子が光を散乱させることは基本的事実であり、たとえば、空が青く見えるように、誰もが日常的に経験しています。これは、大気中の粒子による光散乱は赤い光より青い光のほうが強いことに起因しています。ほかにも、表面の仕上げが光沢と艶消しのどちらになるかは、表面の粒子で決まります。

光散乱の角度、光散乱の周波数、散乱強度を測定することで、その材料のサイズ、電荷、分子量を特定できます。このことが、当社の技術の多くで核心をなしています。

光散乱技術

当社では、レーザー回折法やX線回折法、X線小角回折法(SAXS)、X線大角回折法(WAXS))において、粒子の光散乱シグネチャがサイズに応じて固有という原理を活かしており、高精度の広角な光散乱測定を高感度かつ超高速で実施することで、粉末、エマルション、噴霧、懸濁液に含まれる粒子/液滴のサイズを特定可能にしています。 

ところが、粒径がナノメートルの域になると、粒子による光の散乱が大きく低下します。10nm粒子による散乱は100nm粒子より100万倍弱く、その場合は、光源の波長を短くして散乱量を増やしたとしても、別の方法で光の散乱を分析した方がうまくいく地点があります。 

粒度分布から光の散乱を特定できる理論がいくつかあり(Mie散乱理論、Fraunhofer散乱理論、Rayleigh散乱理論)、逆演算アルゴリズムを用いて散乱を粒度分布に変換できます。

拡散と運動

ナノ材料をレーザに対して直角の位置から見込んで、粒子が拡散する様子をトラッキングし(小さい粒子は大きい粒子より速く動きます)、この結果から並進拡散係数を、ひいてはサイズを特定します(ナノ粒子トラッキング法(NTA)として知られています)。言い換えると、粒子がレーザ光中を通過するときに散乱光が時間とともに変化する様子を観察するわけです。 

変化が速ければ微粒子が、遅ければ大きな粒子があるとわかります。これが、光子相関分光法/動的光散乱法の基本です。

電気泳動光散乱では、液中を電場が通過し、それにより粒子が動きます。粒子に帯電している電荷が大きいほど、粒子の動きは速くなります。 

当社では、粒子に向けてレーザを照射し、それによる散乱光を同じレーザの散乱していない別の部分と再結合します。その結果として得られる干渉パターンから、対象となる粒子の速さについて驚くほど正確な測定値が得られます。

光散乱と分子量

光の散乱を(ポリマーやバイオポリマーの)濃度の関数として幅広い角度で測定することで、対象となる材料の分子量の特定につながる情報や構造に関する情報が手に入ります。

レーザ回折式粒子測定装置 マスターサイザーシリーズ

レーザ回折式粒子測定装置 マスターサイザーシリーズ

マスターサイザーは、世界が認めたレーザ回折式粒子径(粒度)分布測定装置です。ナノサイズからミリメータオーダーまで、湿式、乾式問わず各種試料測定に対応します。

ゼータサイザーシリーズ

ゼータサイザーシリーズ

ナノ粒子、コロイド、生体分子の粒子径、粒子荷電(ゼータ電位)の測定で世界で最も多く用いられているシステム

スプレーテック

スプレーテック

噴霧粒子およびスプレー液滴径測定

OMNISEC

OMNISEC

世界最先端のマルチ検出器GPC/SECシステム

インシテックシリーズ

インシテックシリーズ

堅牢で信頼性の高いリアルタイム粒度分布測定

技術
光散乱
レーザ回折
動的光散乱法(DLS)
電気泳動光散乱
静的光散乱
測定タイプ
粒子径
分子サイズ
分子量
ゼータ電位
分子構造
タンパク質凝集