位相の定量化

混合物中の結晶相の定量化

粉末X線回折は、混合物中の結晶相を定量化するための強力な技術です。

典型的なアプリケーションとしては、岩石や鉱石を等級管理するための鉱物の定量化、建築材業界のクリンカーおよびセメント相、ならびにアルミニウム製錬所の浴比または「potflux」分析などがあります。

相あたり0.1〜1重量%の範囲の検出限界を発揮するため、XRDは品質管理に適しています。この方法は、例えば製薬産業でサンプル中の望ましくない多形体などの少量の不純物を検出して定量化したり、大学および研究機関で合成物質の純度を分類するのに使用されています。

よく利用されている相定量化法

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RIR法
基準強度比(RIR値)と決定された相のスケール係数に基づきます。調査中対象の特定の混合物のRIR値が決定されない限り、結果は「半定量的な」ものにすぎません。
キャリブレーション法
相ごとのピークの強度または面積に基づきます。既知の組成の標準試料セットからあらかじめ作成した検量線から濃度を取得します。非晶質化合物は、このような方法で定量化することもできます。
自動スケール法
すべての混合物構成物質の以前に測定された各強度プロファイルとRIR値に基づいたフルパターン定量化です。この方法は、不規則なピーク形状を呈する粘土、または複数の非晶相を定量化する場合に特に適しています。また、結晶化度を求めるのに適しています。
リートベルト法
実験パターンとの最良適合が得られるまで、各相の計算されたディフラクトグラムを変化させるノンスタンダード法です。決定されたスケール係数から相濃度を推定できます。この方法では、精密化のための入力として、すべての相の原子結晶構造データが必要です。これは特に、強いピークオーバーラップを示す複雑な相混合物の場合に効果を発揮します。非晶質物の含有量も定量化できます。