ナノ粒子を測定すると、たとえ一次粒子がナノオーダであっても、粗大粒子や凝集体など大粒子が混在することで、大粒子にデータが影響されてしまい、不安定な測定結果になったり、一次粒子が検出できなかったりすることがあります。 本資料では、超遠心機を用いてカーボンナノチューブサンプル中に存在する粗大粒子を除去しました。より微粒子を安定して検出することで、遠心処理によるサンプルの分離の効果の検証や分離後の分画の濃度測定への可能性について検討しました。
■使用機材
■使用サンプル
■作業内容
■使用機器
■測定条件
遠心によって粒子が沈降していくこと、また、D90の値が最も変化が大きいことから、粗大粒子の沈降が進行していることがわかりました。
また、粒子濃度に関しては、遠心後のほうが高くなっていました。これは遠心前には粗大粒子が強い光で散乱し、小さな粒子の散乱光を隠してしまっていましたが、粗大粒子の沈降によって、弱く散乱する微小な粒子が検出できるようになったと考えられます。
ナノサイトでは動的光散乱法同様に測定原理上、粒子径が球相当で示されるため、CNTをはじめとする高アスペクト比の粒子では、粒子径は正確なCNTの長さとは異なりますが、濃度情報については、遠心処理後のサンプル成分中の粒子濃度としてみていただくことができます。
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ナノ粒子を測定すると、たとえ一次粒子がナノオーダであっても、粗大粒子や凝集体など大粒子が混在することで、大粒子にデータが影響されてしまい、不安定な測定結果になったり、一次粒子が検出できなかったりすることがあります。 本資料では、超遠心機を用いてカーボンナノチューブサンプル中に存在する粗大粒子を除去しました。より微粒子を安定して検出することで、遠心処理によるサンプルの分離の効果の検証や分離後の分画の濃度測定への可能性について検討しました。
■使用機材
■使用サンプル
■作業内容
■使用機器
■測定条件
遠心によって粒子が沈降していくこと、また、D90の値が最も変化が大きいことから、粗大粒子の沈降が進行していることがわかりました。
また、粒子濃度に関しては、遠心後のほうが高くなっていました。これは遠心前には粗大粒子が強い光で散乱し、小さな粒子の散乱光を隠してしまっていましたが、粗大粒子の沈降によって、弱く散乱する微小な粒子が検出できるようになったと考えられます。
ナノサイトでは動的光散乱法同様に測定原理上、粒子径が球相当で示されるため、CNTをはじめとする高アスペクト比の粒子では、粒子径は正確なCNTの長さとは異なりますが、濃度情報については、遠心処理後のサンプル成分中の粒子濃度としてみていただくことができます。
図1. 遠心による、粒子径・粒子個数濃度の変化
図2. 遠心による粒子径分布グラフと散乱の様子の変化
■サンプルの処理
小型超遠心機CS-150NX(卓上式)
■粒子径・濃度の測定
ナノサイトでは粒子が放つ散乱光をsCMOSカメラで捕らえ、レーザは液中を水平に進み、レーザの光が直接カメラに届かず、粒子由来の散乱光のみを捕らえます。 カメラで捕らえた散乱光は粒子のブラウン運動により時間的に位置を変えるため、その軌跡を解析することで粒子の移動距離を示す平均二乗変位を得ます。 得られた平均二乗変位から、ストークスアインシュタインの式で、粒子径を算出します。
ナノトラッキング法は従来、粗大粒子が多く含まれるサンプルは粗大粒子の散乱光の情報が大きく入り込み、1次粒子を安定して検出することが難しいとされてきましたが、遠心によって粗大粒子を除去し、安定したデータを取ることができました。 遠心による夾雑物の除去、単層CNT(SWNTs) などの構成成分の分離などを行った場合の処理状態を確認し、濃度を算出する簡便な手段としても利用することが可能です。
himac application No.129 (2008年)
himac application No.150 (2010年)