サブナノメートルからミリメートルの粒度分布を分析
粒子径とは、粒子の形態情報の中で、粒子の大きさを何らかの方法で定義した一次元の数値、すなわち「長さ」の次元で表現したものです。
規則的な形状の粒子であれば、粒子径は直径や半径などの単一の値で定義することができます。しかし、不規則な形状の粒子であれば、粒子径を複数の値で定義する必要があります。
粒子径の定義には、以下の基準があります。
この「粒子径の定義」について気になることは、「どの粒子径が正しいか」という議論ですが、結論から言えば、どの粒子径も正しいです。
なぜなら、粒子径とは必要とされる指標・目的に応じて、定義づけされるべきものだからです。
粒子径は、粒子の物理的な特性や性能に影響を与えます。例えば、粒子径が小さいほど、粒子の体積当たりの表面積(比表面積)が大きくなり、一般に化学反応や吸着などの反応速度が速くなります。
ミクロン粒子とは、一般には粒子径がミクロンオーダーのものを指します。ミクロンは1000分の1ミリメートルなので、ミクロン粒子の粒子径は、1ミリメートルの1000分の1程度の範囲に相当します。
ミクロン粒子は、体積当たりの表面積(比表面積)が大きくなるため、一般に化学反応や吸着などの反応速度が速くなります。
ミクロン粒子とナノ粒子の違いは、粒子径の範囲です。
ミクロン粒子とは、一般には粒子径が1マイクロメートル~数マイクロメートル程度のものを指します。一方、ナノ粒子とは、一般に粒子径が100nm以下のものを指します。
つまり、ミクロン粒子とナノ粒子は、粒子径の範囲が一桁程度だけ異なるだけです。しかし、この違いによって、粒子の物理的な特性や性能が大きく異なります。
ナノ粒子は、ミクロン粒子と比べて、以下の点で異なる特性を持っています。
粒子径が小さくなるほど、体積当たりの表面積(比表面積)は大きくなります。そのため、ナノ粒子は、ミクロン粒子と比べて、さらに比表面積が非常に大きくなります。
粒子径の大きさは、以下の点で重要です。
粒子径が小さいほど、表面力などの相互作用の影響が相対的に大きくなるため、分散性や流動性が悪くなり、付着性が増します。
粒子径が小さいほど、粒子の比表面積が大きくなるため、化学反応や吸着の反応速度が速くなります。
粒子径が小さいほど、粒子の比表面積が大きくなるため、触媒としての性能が向上します。
このように、粒子径の大きさは、粒子の物理的な特性や性能に大きな影響を与えます。そのため、粒子径は、さまざまな分野で重要な指標として用いられています。
※上記の傾向は一般的な傾向を述べたものであり、材料特性(組成・結晶性・表面改質)、粒子形状・凝集状態、分散媒・濃度・界面条件、測定法・評価条件などによって例外や程度差が生じます。実際の適用可否や効果の大小は、目的や条件に応じて個別に評価する必要があります。
粒子径を測定し、粒子径が製品およびプロセスに及ぼす影響を理解することは、多くの製造会社にとって成功するために不可欠と言えます。 Malvern Panalyticalは、サブナノメートルからミリメートルまでのあらゆる種類の粒度解析と特性評価のための優れた機器を提供します。
*すべての粒径範囲はサンプルによって異なります。
**粒径範囲はサンプルおよびセンサーによって異なります。
粒度分布とは、粒子の大きさの分布を示すもので、通常は粒子の直径を横軸、頻度を縦軸に取ったヒストグラムとして表現されます。粒子径は、粒子の長さ、幅、高さなどの3次元の寸法の1つです。粒子は、球形や立方体などの規則的な形状を持つものもあれば、不規則な形状を持つものもあります。粒子径分布は、どの粒子径の粒子が「何個」ずつ含まれているかの分布を示す「個数基準粒子径分布」や、どの粒子径の粒子が、どれだけの体積割合で含まれているかを示す「体積基準粒子径分布」などがあります。同じサンプルでも、これらの表記の仕方によって、粒子径分布グラフは大きく異なります。このため、以下に述べる粒子径分布のパラメータも、粒子径分布の基準ごとに異なった値となります。
粒子径分布は、粒子の物理的な特性や性能に影響を与えます。例えば、粒子径が小さいほど、粒子の体積当たりの表面積(比表面積)が大きくなり、化学反応や吸着などの反応速度が速くなります。付着力が高まり、流動性が悪くなります。
平均径とは、粒子の大きさを代表する値です。平均径にはいくつかの計算方法があり、個数を基準にした平均と体積を基準にした平均では値が異なります。個数基準の平均径は、次の式で求められます。
平均径 = ∑ (粒子径 * 粒子数) / 粒子数
ここでは、粒子径は、粒子の直径を表します。
粒子数は、粒子の個数を表します。粒子数を粒子体積に置き換えれば、体積基準の平均径となります。
個数基準のメディアン径(中央値)とは、その値を境に、それより大きい粒子の個数と小さい粒子の個数が半分ずつになる粒子径を示す指標です。体積基準のメディアン径は、その値を境に、それより大きい粒子の体積割合と小さい粒子の体積割合が半分ずつになる粒子径を示す指標です。
メディアン径は、粒子径分布の累積分布関数が 0.5 となる粒子径です。
モード径(最頻値)とは、粒子径分布において粒子径の出現頻度が最も高い粒子径を示す指標です。実際には、粒子径分布のヒストグラムで最も高いピークに対応する粒子径として求めます。
分布幅は、以下の方法で評価することができます。
粒子径分布から標準偏差を計算することで、分布幅を評価することができます。標準偏差は、粒子径分布のばらつき(離散の程度)を表す指標です。一般に、平均からの偏差の二乗の平均(分散)の平方根として定義されます。標準偏差が大きいほど、分布幅が広くなります。
分散は、標準偏差の2乗で表されます。分散は、粒子径分布の平均からの偏差(平均値からのずれ)の二乗の平均を表す指標です。分散が大きいほど、分布幅が広くなります。
粒子径分布の累積分布関数の 10%、50%、90% の値を D10、D50、D90 と呼びます。
D10 は、粒子径が D10 以下の粒子の割合が 10% となる粒子径です。
D50 は、粒子径が D50 以下の粒子の割合が 50% となる粒子径で、メディアン径とも呼ばれます。
D90 は、粒子径が D90 以下の粒子の割合が 90% となる粒子径です。
D10 と D90 の差は、粒子径分布の広さを表す指標として用いられます。個数基準と体積基準でこれらの値は異なり、個数基準のときは、Dn10、Dn50、Dn90、体積基準のときはDv10、Dv50、Dv90というように、区別して記述します。
※なお、標準偏差や分散などの統計的な評価指標は、使用するソフトウェアでは評価パラメータとして採用されない場合があります。
粒子径は、製品品質にさまざまな影響を与えます。
| 影響 | 詳細 | ||
|---|---|---|---|
| 物理的な特性 | 粒子径は、粒子の物理的特性に影響を与える要因の一つです。例えば、粒子径が小さい場合、一般に体積当たりの表面積(比表面積)が大きくなるため、化学反応や吸着などの速度が高くなる傾向があります。ただし、反応機構や表面状態、拡散・濡れ性、凝集状態など他の条件によって結果は異なることがあります。 | ||
| 性能 | 粒子径は、製品の性能に影響し得る要素の一つです。例えば、塗料では粒子径が小さいほど塗膜が均一になりやすく、結果として耐久性や耐候性が向上する場合があります。一方で、処方や硬化条件によっては必ずしも向上しないこともあります。 | 食品では、粒子径が小さいほど口当たりが滑らかになり、消化されやすい傾向がありますが、原料や加工条件、マトリクスの性状によって変わる可能性があります。 | |
| 安全性 | 粒子径は、製品の安全性に影響を及ぼし得ます。例えば、粉末状の薬品や材料で粒子径が過度に小さい場合、吸入曝露のリスクが高まる傾向が指摘されます。ただし、リスクは粒子の濃度、曝露時間、素材特性、プロセス条件、吸入防護の有無などにも左右されます。 | ||
| 具体例 | 粒子径が製品品質に与える影響の具体例をいくつか挙げます。
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| 測定タイプ | ||||||
| 粒子形状 | ||||||
| 粒子径 | ||||||