Empyrean Nanoエディション

多目的X線散乱プラットフォーム

Empyrean Nanoエディションはハイブリッド実験室用X線散乱装置です。 複数の長さスケールで(ナノ)材料の構造特性評価を行うさまざまな技術を使用できるのが特長です。

主な用途:

  • SAXSとWAXS: 小角と広角X線散乱
  • Bio-SAXS: 生体高分子に対するSAXS
  • USAXS: 超小角X線散乱法
  • 全散乱: 原子二体分布関数(PDF)解析

粉末回折、薄膜分析、CTなど、その他のアプリケーションをいくつか追加することができ、後でアップグレードすることもできます。

高分解能ゴニオメータプラットフォーム、モジュール概念、最新の検出器技術により、装置の高い性能と柔軟性が実現されています。

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概要

複数の長さスケールでの(ナノ)物質解析

市販されている他の研究用装置と同様に、Empyrean Nanoエディションは、サブオングストロームからミクロンまでのブラッグ結晶面間隔と、散乱ベクトルqレンジの提供を約50年にわたって一貫して行っています。

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Empyrean NanoエディションでUSAXSとSAXS/WAXSとPDF測定を独自に組み合わせると、複数の長さスケールで階層構造の特性評価が可能になり、サブオングストロームからミクロンまでのブラッグ結晶面間隔をカバーします。 

動作

Empyreanでは、さまざまなX線散乱技術をサポートしています。

SAXS 小角X線散乱法 

SAXSはEmpyrean Nanoエディションのメインアプリケーションです。 これは最も多目的なツールの1つで、さまざまなサンプルタイプ(液体、粉末、固体、ゲルなど)のナノスケール構造と大きさを分析します。 サンプルは非晶質、結晶質、または半結晶質でもかまいません。 SAXSで調査できる典型的なサンプルには、コロイド分散液、界面活性剤、ポリマー、生体高分子、膜、ナノコンポジット、ナノ粉末、多孔質材などが含まれます。 異方性ナノスケール構造の配向は、2D SAXSパターンを測定することによって調査できます。 SAXSの詳細

Bio-SAXS 生体高分子に対するSAXS 

タンパク質溶液の希釈に適用される小角X線散乱法は広く認知されており、急速に成長している構造生物学の技術になっています。 例えば、 タンパク質のサイズや形状、フォールディングとアンフォールディング、凝集挙動、安定性、分子量などに関する情報が提供されます。 測定は自然に近い条件下で、例えば、タンパク質濃度、pH、イオン強度、または温度の変動下で行うことができます。 SAXSでは最終的に、低解像度の分子形状エンベロープも再構成できるため、単結晶XRDまたはNMRから得られる情報を補完する情報を提供します。 Malvern PanalyticalのEasySAXSソフトウェアは、基本的なbio-SAXSデータ分析に使用できます。 データはEMBL ATSASソフトウェアと互換性のある形式でエクスポートでき、3Dタンパク質形状の再構成やその他の高度なタスクに使用できます。

WAXS 広角X線散乱

広角度で測定された回折パターンに基づいて、所定のサンプル中に存在する結晶相を同定して定量化し、ナノ結晶のサイズを評価できます。 異方性構造(ポリマーなど)における結晶格子の配向は、2D WAXSパターンを測定することによって調査できます。 

USAXS 超小角X線散乱法 

数百ナノメートルのサイズ範囲の粒子または構造特徴を含むサンプルの特性評価には、従来のSAXSの解像度では不十分です。 Empyrean Nanoエディションでは、高解像度ゴニオメータと組み合わせた高解像度光学系により、0.005°(2θ)までの超小角度にアクセスできます。 高度な単分散粒子からの散乱曲線における特性振動は、1.5μmという大きな粒子径でも容易に解決できます。 

全散乱実験では、可能な限り高い散乱ベクトルまでデータを取得するために、硬X線放射を使用し、非常に高い2θ角度までスキャンします。 推定された原子二体分布関数(PDF)から、ナノ結晶材および不規則物質の短距離原子秩序を推定できます。 GaliPIX3D検出器と効果的な散乱防止装置を備えたEmpyrean Nanoエディションでは、非常に高品質の実験データを取得でき、オプションで非周囲条件下でも使用できます。 結果はシンクロトロン放射光装置で得られる結果と十分一致したものになります。 全散乱の詳細.

アプリケーションの追加 - 後日のアップグレード 

特定の研究対象に応じて、Empyrean Nanoエディションは、GISAXSやX線反射、従来型の粉末X線回折やコンピュータ断層撮影などの薄膜技術を追加して、さらにアップグレードできます。 Malvern Panalyticalでは、既存のMalvern Panalytical装置プラットフォームと下位互換性のある追加オプション、改良、および分析ソリューションを絶えず開発しています。

機能

最大限の柔軟性

さまざまなX線散乱技術に合わせてEmpyrean Nanoエディションを簡単かつ迅速に構成できる独自の柔軟性は、迅速に交換可能な事前調節されたX線モジュール(PreFIX)とサンプルステージを搭載可能な2サークルゴニオメータプラットフォームにより実現されています 。 SAXS測定は静的検出器で容易に行うことができますが、ゴニオメータがWAXSに必要な拡張角度範囲へのアクセスを可能にすることにより、全散乱(PDF)測定を実現します。 0.0001°の最小2θステップ幅を使用すれば、高解像度ゴニオメータによりUSAXSアプリケーションも容易にサポートできます。 散乱ベクトルを最大限に高める場合は、標準のCu X線管をAgまたはMo X線管に容易に交換できます。

最大限の柔軟性

高性能検出器

高品質のX線散乱データを取得するには、X線検出器の性能が重要です。 当社のハイブリッドピクセル領域検出器、GaliPIX3DPIXcel3Dは、非常に低い固有ノイズと高ダイナミックレンジを誇ります。 それらの高い空間解像度により、比較的コンパクトな実験のセットアップが可能で、半径240 mmのゴニオメータ内に適合します。 GaliPIX3D検出器は、Cu、Mo、及びAg放射線に対する100%の吸収効率を備えており、SAXS/WAXSだけでなく、高速PDF測定も行う場合に最適な検出器です。

高性能検出器

ScatterX78を使用したSAXS/WAXS

ScatterX78 モジュールを使用すれば、ナノ材料に対する小角および広角X線散乱( SAXS/WAXS )測定を行うことができます。

SAXS信号は、材料の寸法および構造解析をナノスケールで可能にします。 結晶相、ナノ結晶のサイズとそれらの配向に関する補足情報は、WAXS信号から取得できます。 ScatterX78 は、コロイド分散液、ポリマー、タンパク質溶液、界面活性剤、ナノ粉末、液晶など、さまざまなサンプルの特性評価に使用できます。

ScatterX78を使用したSAXS/WAXS

最高の小角解像度のためのUSAXSオプション

Empyrean Nanoエディションでは、事前調節された高解像度光学部品に基づいたBonse-Hart型の実験セットアップを使用することにより、解像度が超小角まで拡張されます。 このようなUSAXSセットアップでは、アクセス可能な最小散乱角度は約0.005°で、対応する最大ブラッグ結晶面間隔は1700 nmになります。

最高の小角解像度のためのUSAXSオプション

容易にアクセス可能な放射線防護エンクロージャ

Empyrean Nanoエディションは、電気的、機械的、及びX線安全性に関するすべての国際規制に適合しています。 実験セットアップは、大型の透明窓がある放射線防護エンクロージャ内にあります。 広い開口部ドアにより、必要に応じてセットアップに容易にアクセスできます。

容易にアクセス可能な放射線防護エンクロージャ

仕様

エンクロージャー

大型の透明窓と広い開口部ドアを備えた放射線防護エンクロージャー。

ゴニオメータ

タイプ 垂直2サークルゴニオメータ; θ-θ配置
半径 240 mm
分解能 0.0001°
インターフェース PreFIXタイプ、事前調節された光学系、ステージ、及び検出器の迅速交換が可能

SAXS/WAXSの仕様

カメラ長 480 mm
X線源 密封高解像度X線管(Cuアノード)
コリメーションタイプ ラインコリメーション(標準)
ポイントコリメーションに変更可能
入射ビーム光学系 1D X線集束ミラー
ビーム経路 ScatterX78、真空(< 0.1 mbar); サンプルカプセルを含む
サンプルホルダ 液体、固体、粉末
温調範囲 温度制御キャピラリホルダ(5~70°C)
ディスポーサブルの低バックグラウンドキャピラリを使用
ビームストップ ラインとポイントコリメーション用のビームストップ - 簡単に切り替え可能; 半透明
検出器 低ノイズ、ハイブリッドピクセル領域検出器:
GaliPIX3D: CdTeセンサ; 解像度60 µmまたは
PIXcel3D: Siセンサ; 解像度55 µm
測定モード 静的またはスキャン検出器(1Dまたは2Dフルパターン)
アクセス可能な2θレンジ 0.08~78°
アクセス可能なqレンジ 0.006~5.14 Å-1
最大ブラッグ結晶面間隔 100 nm
ソフトウェア Data CollectorEasySAXSXRD2DscanHighScore (Plus)

USAXSの仕様

X線源 密封高解像度X線管(Cuアノード)
コリメーションタイプ ラインコリメーション
入射ビーム光学系 4結晶Ge(220)単色光分光器
受光光学系 3バウンスGe (220)アナライザー結晶
サンプルステージ/ホルダ 液体、固体、粉末
サンプルチェンジャ 固体および粉末用オプション
検出器 比例計数管、PIXcel3DまたはPIXcel1D
測定モード ステップスキャン(0D)
最小2θ 0.0050°
最小q値 0.00036 Å-1
最大ブラッグ結晶面間隔 1700 nm
ソフトウェア Data CollectorEasySAXS


全散乱(PDF解析)の仕様

X線源 密封X線管(AgまたはMoアノード)
コリメーションタイプ ラインコリメーション
入射ビーム光学系 1D X線集束ミラーまたはスリットシステム
検出器 GaliPIX3D: 硬放射線またはシンチレーション計数器でも100%効率のCdTeセンサ
測定モード スキャン(1Dまたは0D)
最大2θ 160°
最大q値 22 Å-1
ソフトウェア Data CollectorHighScore (Plus)

アクセサリ

検出器

PIXcel3D

Cu、Co、Fe、Mn、およびCr照射を使用した0D、1D、および2D測定。

PIXcel3D

GaliPIX3D

Ag、Mo、およびCu照射を使用した1D、2D、および3D測定。

GaliPIX3D

ソフトウェア

EasySAXS 2.2

EasySAXSは、小角X線散乱法(SAXS)データの分析に対応した使いやすい高度なソフトウェアパッケージです。

EasySAXS 2.2

XRD2DScan

XRD2DScanは、2D回折データを視覚化し、様々なタイプの1Dスキャンへ変換するためのMalvern Panalytical製ソフトウェアパッケージです。

XRD2DScan

HighScore Plus

結晶構造分析などを行うために理想的なツールです。

HighScore Plus

X線回折ソフトウェア

XRDソフトウェアパッケージは、物質からあらゆる情報を抽出するために設計されています。

X線回折ソフトウェア

X線管球

Empyrean管球

Empyrean管球は、Malvern PanalyticalのEmpyrean回析装置用に最適化されています

Empyrean管球

非室温依存チャンバー

非室温依存チャンバー

当社は、XRD装置でサポートされているほぼすべての用途に対して「現場」で対応できる非室温依存のさまざまなソリューションを提供しています。

非室温依存チャンバー

サポート

設備

投資利益率を最大限にするソリューション

お客様の装置が最高の状態を保ち、最高レベルで機能するために、Malvern Panalyticalではさまざまなサービスを提供しています。 当社の専門知識とサポートサービスは、装置が最適に機能するよう保証します。

サポート

寿命終了までのサービス

  • 電話とリモートサポート
  • 予防メンテナンスと点検
  • 柔軟なカスタマーケア契約
  • パフォーマンス認定書
  • ハードウェアおよびソフトウェアアップグレード
  • ローカルおよびグローバルサポート

専門知識

工程に価値を付加する

  • サンプル調製の開発/最適化
  • 分析方法論 
  • XRD用ターンキーソリューション 
  • IQ/OQ/PQによるオペレーション、品質保証(GLP、ISO17025)、またはラウンドロビン/研究所間の連携
  • ラボ工程の自動化
  • コンサルティングサービス

トレーニングと教育

  • オンサイトまたは当社の研修センターでのトレーニング
  • 製品、アプリケーションおよびソフトウェに関する広範な基本コースおよび上級コース

If I moved to another company, and have chance to purchase, Empyrean would be the one.

Raeann Wu — Teva Pharmaceuticals