XRD - X線回折

粉末や固体から薄膜やナノ材料まで対応する、結晶化合物の非破壊分析手法

XRD - X線回折

XRD(X線回折)技術の概要

このページでは、XRDの原理やXRDを用いた測定事例、XRD分析装置をご紹介します。

卓上型X線回折装置(XRD)Aerisへのリンク X線回折装置(XRD)Empyreanへのリンク

X線回折(X-ray Diffraction:XRD)とは

X線回折法(XRD) は汎用性の高い非破壊分析手法であり、粉末サンプル、固体サンプル、液体サンプルの相組成、結晶構造、配向などの物性を分析するために使用します。

相の同定は、未知のサンプルから得られたX線回折パターンとリファレンスデータベースのパターンを比較することで実行できます。このプロセスは、事件現場の捜査で指紋を照合するようなものです。最も包括的な化合物データベースは、ICDD (International Centre of Diffraction Data) によって維持管理されています。また、実測による純粋相の回折パターン、または科学技術文献で公開されているパターンや独自の測定で得られたパターンからリファレンスデータベースを構築することもできます。

マルバーン・パナリティカルのEmpyreanなどの最新のコンピュータ制御のXRDシステムは、粉末解析ソフトウェア(HighScoreなど) と組み合わせて使用します。このようなシステムでは複雑な複合混合物による回折パターンであっても、個々の成分の定性分析および定量分析をすることができます。

XRDで何がわかるのか、わからないのか

XRDを用いることで、結晶性材料に関する多くの情報を得ることができます。代表的なものとして、結晶相の同定、結晶構造の解析、格子定数の決定、結晶の歪みや相変化の評価などが挙げられます。

一方で、XRDは結晶構造に基づく分析手法であるため、非晶質成分のみからなるサンプルや、極めて微量な成分の検出については、条件によって制約が生じる場合があります。このため、測定目的によっては、他の分析手法と組み合わせて使用することが重要です。

この段階で重要なのは、「自分のサンプルではXRDで何が評価できるのか」を正しく理解することです。

相同定とは:回折パターンを用いた分析の考え方

相の同定は、未知のサンプルから得られたX線回折パターンを、リファレンスデータベースに登録された回折パターンと比較することで実行できます。このプロセスは、事件現場の捜査で指紋を照合することに例えられます。

最も包括的な化合物データベースは、ICDD(International Centre of Diffraction Data)によって維持管理されています。また、実測による純粋相の回折パターンや、科学技術文献で公開されているパターン、独自測定で得られたパターンを用いて、独自のリファレンスデータベースを構築することも可能です。

回折パターンの読み取り方(ピーク・強度・形状)

XRD装置で測定された回折パターンは、結晶構造や物性に関する情報を反映しています。回折パターンを読み取ることで、結晶構造、格子定数、結晶の歪み、相変化といった情報を得ることができます。

回折パターン解析では、まずピークの位置に注目します。ピーク位置はブラッグの法則によって決まり、結晶面間隔や格子定数の算出が可能です。次に、ピークの強度から結晶性評価や定量分析を行い、さらにピークの形状から結晶子サイズや構造に関する情報を得ることができます。

これらの解析には経験と専門知識が必要となるため、専門的な知識がない場合は、XRD装置のメーカーや販売元に相談することが有効です。

ブラッグの法則

XRDの原理は、ブラッグの法則に基づいています。ブラッグの法則は、以下のとおりです。
2dsinθ = nλ
d:格子面間隔 θ:ブラッグ角 n:回折の次数 λ:X線の波長
ブラッグの法則によると、入射X線の波長λの整数倍のときに、格子面間隔dの2倍の距離を進んだX線が干渉して強め合います。このとき、回折角θは、ブラッグの法則によって決まります。

ブラッグの法則の図

回折パターンの読み取り方

XRD装置で測定された回折パターンは、結晶の結晶構造や物性に関する情報を表しています。回折パターンを読み取ることで、以下の情報を得ることができます。

  • 結晶の結晶構造
  • 結晶の格子定数
  • 結晶の歪み
  • 結晶の相変化

回折パターンの読み取り方としては、以下の方法があります。

1, ピークの位置

回折パターンのピークの位置は、ブラッグの法則によって決まります。ピークの位置から、結晶の面間隔や格子定数を計算することができます。

2, ピークの強度

回折パターンのピークの強度は、結晶の結晶構造や物性によって異なります。ピークの強度から、結晶性評価や定量分析を行うことができます。

3, ピークの形状

回折パターンのピークの形状は、結晶状態によって異なります。ピークの形状から、結晶の構造や結晶子サイズ情報を得ることができます。

回折パターンの読み取り方には、経験と専門知識が必要です。専門的な知識がない場合、XRD装置のメーカーや販売元に相談するとよいでしょう。

粉末XRDの適用事例と用途

粉末X線回折は、大学や研究センターにおける物質の特性分析から、建材、化学、製薬業界におけるプロセス管理まで、幅広い分野で使用されています。具体的には、結晶多形の測定、API(医薬品有効成分)の濃度測定、安定性評価、鉱物相の同定、結晶化度やアモルファス相含有量の評価などに活用されています。
結晶相とアモルファス相の存在を示す典型的な粉末パターン
結晶相とアモルファス相の存在を示す典型的な粉末パターン

XRD(X線回折)によるリートベルト解析結果

XRDX線回折)により得られるリートベルト解析結果の例を示します。XRDでは、回折パターンの取得にとどまらず、リートベルト解析を用いることで、複数相を含む試料に対して定量的な結晶相解析を行うことが可能です。

粉末・卓上型XRD Aeris(エアリス)によるセラミックス試料のリートベルト定量解析結果

粉末・卓上型XRD Aeris(エアリス)によるセラミックス試料のリートベルト定量解析結果


 

XRD装置の動作原理と測定配置

粉末X線回折装置では、管球から発生したX線が一次光学系を通過してサンプルに照射され、サンプル中の結晶相によって回折されます。回折されたX線は二次光学系を通過して検出器に入り、回折角を変化させることで回折強度が測定されます。

回折装置の配置およびサンプルの種類に応じて、入射ビームとサンプル間の角度は固定または可変となり、一般的には回折ビーム角度と対になっています。

反射法光学系を使用したブラッグ-ブレンターノ配置による従来の粉末X 線回折セットアップ
反射法光学系を使用したブラッグ-ブレンターノ配置による従来の粉末X 線回折セットアップ

マルバーン・パナリティカルのXRDソリューション

マルバーン・パナリティカルの Empyrean などの最新のコンピュータ制御XRDシステムは、粉末解析ソフトウェア(HighScore など)と組み合わせることで、複雑な複合混合物であっても定性分析および定量分析を行うことが可能です。
また、Aeris をはじめとした粉末・卓上型XRD装置は、研究用途から日常的な品質管理まで、幅広いニーズに対応します。
卓上型X線回折装置(XRD)Aerisへのリンク X線回折装置(XRD)Empyreanへのリンク

XRD(X線回折)の測定事例【アプリケーションノート】

PIXcel3D

0D-1D-2Dおよび3Dデータを回析計に取り込む最初の検出器
PIXcel3D

XRDをこれから学ぶ方へ(学習コンテンツ)

XRDの測定原理や、X線回折でわかることなど、基本を学べる無料Webセミナー「はじめてのXRD」をご用意しています。

異動や新規配属で分析を担当することになった方、学生の皆様、復習したい方にも最適です。

無料動画セミナーはじめてのXRD2023

/jp/learn/events-and-training/webinars/w230627-xrd

用途に合ったXRD測定・装置を検討するなら

XRDは非常に汎用性の高い分析手法ですが、測定目的やサンプル特性によって最適な装置構成や測定条件は異なります。分析目的に応じた装置選定や測定手法については、専門スタッフへぜひご相談ください。

当社の製品の比較

  • X線回折装置(XRD)Empyreanシリーズ

    多目的 X 線回折装置

    X線回折装置(XRD)Empyreanシリーズ

    測定タイプ

    • 粒子形状
    • 粒子径
    • 結晶構造の解析
    • 相同定
    • 位相の定量化
    • 汚染物質の検出と分析
    • エピタキシー分析
    • 界面粗さ
    • 3D構造/画像処理

    技術

    • XRD分析

    ゴニオメータ構成

    • 試料水平型ゴニオメータ

    検出器

    X線管アノード材質

  • コンパクトX線回折装置 Aeris

    卓上型のX線回折装置(XRD)

    コンパクトX線回折装置 Aeris

    測定タイプ

    • 粒子形状
    • 粒子径
    • 結晶構造の解析
    • 相同定
    • 位相の定量化
    • 汚染物質の検出と分析
    • エピタキシー分析
    • 界面粗さ
    • 3D構造/画像処理

    技術

    • XRD分析

    ゴニオメータ構成

    • 垂直ゴニオメーター、θ-θ 結合および分離、サンプルは常に水平

    検出器

    • PIXcel1D, PIXcel3D and 1Der detectors

    X線管アノード材質

    • Cu /Co (option)