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X線回折装置(XRD)

マルバーン・パナリティカルのX線回折装置は、品質が非常に高い回折データを取得するように設計され、別のアプリケーションにすばやく切り替えられる柔軟性を備えています。

X線回折装置(XRD)とは

X線回折装置(XRD)は、X線の回折現象を利用して物質の構造を解析する装置です。X線は、波長が約0.1~10nmの電磁波です。これは、原子の間隔と同程度です。X線を物質に照射すると、X線は原子によって散乱されます。散乱されたX線の強度は、散乱方向によって異なります。この散乱方向と強度の違いを解析することで、物質の結晶構造を調べることができます。

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X線回折装置(XRD)の種類とその特性

X線回折装置は、大きく分けて以下の3種類があります。

  • 粉末X線回折装置
  • 単結晶X線回折装置
  • 薄膜X線回折装置
種類特性適用範囲詳細
粉末X線回折装置高精度粉末解析
  • 無機物
  • 有機物
  • 金属セラミックス
  • ポリマー
など
粉末状の試料にX線を照射して分析する方法です。試料の結晶構造や格子定数、結晶子サイズ、ひずみなど、さまざまな情報を高精度で測定できます。
単結晶X線回折装置詳細な結晶構造構造解析単結晶材料単結晶の試料にX線を照射して分析する方法です。粉末X線回折装置よりも詳細な結晶構造解析が可能です。
薄膜X線回折装置薄膜分析
  • 半導体デバイス
  • 光学素子
など
薄膜試料にX線を照射して分析する方法です。薄膜の厚さや結晶構造、界面構造などを分析できます。

X線回折装置の基本的な構造

X線回折装置は、大きく分けて以下の3つの部分で構成されています。

  1. X線源:X線を発生させる装置です。一般的には、銅やクロムなどの金属ターゲットに電子ビームを照射してX線を発生させます。
  2. 試料台:分析対象の物質を載せる台です。
  3. 検出器:散乱されたX線を検出する装置です。一般的には、プロポーショナル検出器や半導体検出器が使用されます。

X線回折装置(XRD)の主な用途と重要性

X線回折装置(XRD)の主な用途

1. 化合物(結晶相)の同定

試料の回折パターンをデータベースと比較することで、試料に含まれる化合物(結晶相)を同定することができます。これは、化学、材料科学、地質学、生物学など、さまざまな分野で重要な役割を果たしています。

2. 結晶構造の解析

回折パターンの強度分布を分析することで、試料の結晶構造を解析することができます。この情報は、新材料の開発や既存材料の改良に役立ちます。

3. 薄膜の解析

薄膜の厚さや結晶構造を分析することができます。これは、半導体デバイスや光学素子の製造において重要な役割を果たしています。

4. 応力・ひずみの解析

材料に存在する応力やひずみを分析することができます。これは、機械工学や金属学において重要な役割を果たしています。

5. その他

上記以外にも、X線回折装置は以下のような用途に使用されています。

  • 粒子の大きさや形状の分析
  • 欠陥の検出
  • 相転移の研究
  • テクスチャーの分析

X線回折装置は、物質科学、化学、材料科学、地質学、生物学など、さまざまな分野で広く用いられており、物質の構造に関する重要な情報を提供することができます。

X線回折装置(XRD)の重要性

X線回折装置は、物質の構造分析に不可欠なツールであり、その重要性は以下のように多岐にわたります。

1. 非破壊分析

X線回折装置は、試料を破壊することなく分析できる点が大きな利点です。これは、貴重な試料や精密な分析が必要な場合に非常に重要です。

2. 高い精度

X線回折装置は、高い精度で物質の構造を分析することができます。結晶構造や格子定数、結晶子サイズ、ひずみなど、さまざまな情報を高精度で測定可能です。

3. 汎用性

X線回折装置は、さまざまな種類の物質に適用することができます。無機物、有機物、金属、半導体、セラミックス、ポリマーなど、幅広い物質の分析に使用できます。

4. 情報量が多い

X線回折装置は、物質の構造に関するさまざまな情報を提供することができます。結晶構造だけでなく、結晶粒の大きさや形状、結晶方位、ひずみ、欠陥、残留応力など、多様な情報を得ることができます。

5. 幅広い分野での活用

X線回折装置は、物質科学、化学、材料科学、地質学、生物学、医学など、さまざまな分野で広く活用されています。

以下、具体的な例をいくつか挙げます。

1. 化学分野

  • 化合物の同定
  • 結晶構造解析
  • 分子構造解析
  • 相転移の研究

2. 材料科学分野

  • 新材料開発
  • 材料の品質管理
  • 薄膜の解析
  • 界面構造解析

3. 地質学

  • 鉱物の同定
  • 岩石の分析
  • 地層の解析

4. 生物学

  • タンパク質構造解析セルロース構造解析

5. 医学

  • 骨の分析
  • 歯の分析
  • 人工関節の開発

このように、X線回折装置は、物質の構造に関する幅広い情報を提供できる非常に汎用性の高い分析装置です。

X線回折装置(XRD)選びで失敗しないために

X線回折装置は、物質の構造解析に不可欠なツールです。しかし、様々な種類があり、それぞれ異なる性能や特長を持っています。そのため、適切な装置を選定することが重要です。

1. 測定目的を明確にする

X線回折装置は、様々な目的で使用されます。例えば、以下のような目的があります。

  • 化合物の同定
  • 結晶構造解析
  • 薄膜分析
  • 応力・ひずみ分析
  • 粒径測定

測定目的によって、必要な測定精度やデータ処理方法などが異なります。

2. 試料の特性を把握する

試料の特性も、装置選定に重要な影響を与えます。例えば、以下のような特性を考慮する必要があります。

  • 試料の種類(無機物、有機物、金属、半導体など)
  • 結晶構造
  • 粒径
  • 形状
  • 密度

試料によっては、特殊な測定装置が必要になる場合があります。

3. 装置の種類と特長を理解する

X線回折装置には、様々な種類があります。代表的な種類と特長は以下の通りです。

  • 粉末X線回折装置:粉末状の試料を分析する装置
  • 単結晶X線回折装置:単結晶の試料を分析する装置
  • 薄膜X線回折装置:薄膜の試料を分析する装置
  • X線小角散乱装置:ナノメートルサイズの粒径や構造を分析する装置

それぞれの装置には、メリットとデメリットがあります。

4. 予算とスペース

装置の価格は、種類や性能によって異なります。また、設置スペースも考慮する必要があります。

マルバーン・パナリティカルには以下のような製品があります。

  • 卓上型でありながらこれまでは大型のフロアスタンディングの装置でしかできなかったデータ品質とデータ取得速度を実現したAeris(エアリス)
  • 粉末、薄膜、ナノ材料、およびバルク試料の結晶相、化合物同定、結晶化度、応力(ストレス)、配向、格子定数、結晶構造及び粒子サイズ測定のための小角散乱、薄膜の膜厚、密度を測るX線反射率測定まで多様な情報を解析するEmpyrean(エンピリアン)

5. メーカーや販売代理店のサポート

装置購入後のサポートも重要です。メーカーや販売代理店のサポート体制を確認しましょう。

マルバーン・パナリティカルは、専門家による迅速なサポートを提供しています。

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マルバーン・パナリティカルのX線回折装置(XRD)について

マルバーン・パナリティカルのX線回折装置は、大学や研究機関から、産業プロセス管理ラボラトリーまで、多くの環境で使用されています。 X線回折(XRD)で必要なものがあれば、当社から適切な装置を提供し、世界中の販売およびサービス組織でバックアップします。

当社の多目的回折装置 (Aeris、Empyrean、X’Pert3 MRD )には、すべてPreFIX (アライメント調整済み、迅速な交換が可能なX線)モジュールが装備されており、ユーザーの手間なしに光学系を変更できます。 このため、ほとんどのアプリケーションを単一の回折装置プラットフォームで提供しています。

当社の装置で使用できる既存の豊富なXRDアプリケーションについては、以下ご参照ください。

X線回折装置での測定事例(アプリケーション)

X線回折の測定原理やX線回折でわかることなど、X線回折の基本をご説明します。

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技術
XRD分析
測定タイプ
粒子形状
粒子径
結晶構造の解析
相同定
位相の定量化
汚染物質の検出と分析
エピタキシー分析
界面粗さ
3D構造/画像処理
薄膜測定
残留応力
Crystal orientation
Cleanroom ISO 4
SECS/GEM