多くの製造・研究開発現場において、材料やサンプルの特性評価にX線が使用されています。X線はその波長範囲(0.01~10 nm)から、原子レベルでの構造、元素、化学状態の分析に非常に適しています。
X線を使用してサンプルを特性評価する主な技法は次のとおりです。
X線吸収分光法(XAS)は、材料内の元素の局所的な化学環境、酸化状態、原子配位を調べるために用いられる、強力な元素特異的分析手法です。
XASは、元素の吸収端におけるX線の吸収の仕方をエネルギー変化に応じて測定することで、電子構造や短距離秩序に関する詳細な情報を提供します。これは、回折法が制限される可能性のある非晶質系、無秩序系、希薄系においても有効です。
XASは、X線吸収端近傍構造(XANES)や広域X線吸収微細構造(EXAFS)などの技術を包含しており、触媒、エネルギー貯蔵、環境科学、鉱業、先端材料、生命科学などの幅広い研究で重要な役割を果たしています。
Malvern Panalyticalは、研究者が材料の化学的性質や構造についてより深い知見を得られるXASソリューションを提供しています。
29 November 2018 | English
XRD、XRF、XASは、いずれもX線相互作用を利用して材料に関する情報を提供する技術で、いくつかの共通点があり、互いに補完的な役割を果たします。しかし、各手法によって得られる情報は大きく異なります。
XRDでは、サンプルに存在する結晶相に関する情報が提供され、たとえばさまざまな酸化状態(Fe₂O₃/Fe₃O₄)や多形体(赤鉄鉱とマグヘマイト、両方とも酸化第二鉄Fe₂O₃)など、化合物を区別できます。
XRFでは、存在する元素(Fe、O)およびその量など、サンプルの化学(元素)組成に関する情報が提供されます。XRFの主なメリットとして、化学元素の量を100 ppbまで検出できることが挙げられます。XRFサンプル調製も、代替技法と比較して、高速、容易、安全です。
XASは、特定の元素の局所的な原子環境や電子構造に関する情報を提供します。酸化状態、配位数、結合距離、化学形態を特定できるため、触媒や電池材料、地質サンプル、複雑な機能性材料の研究に特に有用です。
これらの技術を組み合わせることで、材料の組成、構造、化学的性質を包括的に理解することができます。
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