元素分析法と蛍光X線(XRF)分析法
物質、材料中に含まれる元素を分析することは、その材料の最も基本的な要素を理解することにつながります。その重要性は材料、食品、医薬品、鉱業、環境分析など、各分野において多岐にわたります。元素分析に用いる機器分析法は、高周波プラズマ(ICP)を利用した発光分析法、質量分析法や、原子吸光法(AAS)、蛍光X線分析法(XRF)、燃焼型元素分析(Combustion EA)など、多数あります。なかでも、蛍光X線(XRF)分析法は、最も簡便で、そして低ランニングコストの分析法として知られています。
蛍光X線(XRF)分析とは?
一定以上のエネルギーをもつ励起X線を試料に照射すると、含有元素ごとでの特徴エネルギー(波長)を持つ「特性(蛍光)X線(XRF)」と呼ばれる電磁波が発生します。このXRF信号を検出し、エネルギー毎で並べ替えて得られるのが「XRFスペクトル」です。このXRFスペクトルからは「どんな元素(≒定性)」が「どれくらい(≒定量)」入っているかを知ることができます。この原理を利用して元素分析を行うのが蛍光X線(XRF)分析法です。
マルバーンパナリティカルのEpsilon(イプシロン)シリーズは、その要望にお応えするために開発された、蛍光X線(XRF)を用いた元素分析装置です。
エネルギー分散型蛍光X線(EDXRF)の原理と利点
Epsilon(イプシロン)シリーズは、種々ある蛍光X線(XRF)の中でも、「エネルギー分散型蛍光X線(EDXRF)」に分類されます。この原理を用いた装置の最大の特徴は、幅広いエネルギー帯域のXRF信号を同時にスペクトル化が可能であることです。これにより、幅広い元素の情報を一度に得ることが期待できます。
Epsilon(イプシロン) には3種類のモデルが用意されており、アプリケーション、用途、ご予算などによってお選びいただけます。
<特徴>
“小型でもパワフル” なPC一体型・卓上型エネルギー分散型蛍光X線(EDXRF)分析装置がEpsilon1(イプシロン1)です。
必要な機能をとことんまで追求し、極限まで削ぎ落したソリッドな装置設計により、高パフォーマンスとお求めやすい価格の両方を実現しました。
コンパクトな外観で、100V電源一つのみで測定可能なEpsilon1。
研究開発、工程管理、現場など、設置環境を選ばない幅広いフィールドでのXRF分析に対応します。
また、CCD観察カメラを搭載し、微小部測定に対応したモデルSmall Spotもご用意しており、用途や目的に合わせて柔軟にお選びいただけます。
<特徴>
マルバーンパナリティカルが提供する、卓上型のエネルギー分散型蛍光X線(EDXRF)のフラッグシップモデルがEpsilon4(イプシロン4)です。
時代の一歩先を見据えた独自のXRF信号検出系により、広帯域、高感度の元素分析測定を実現しました。軽元素(主にはNa,Mg)測定における感度を劇的に向上させるヘリウムパージ機能、そして、オートサンプラ標準装備により、高感度と高測定スループットの両方を実現しました。ユーティリティも100V電源で駆動するため、品質管理現場から大学などの研究室に至るまで、柔軟な設置環境に対応可能です。
<特徴>
液体中の各種元素をオンラインで測定する、現場型・特殊用途の蛍光X線(XRF)分析システムです。ラボ用の高性能EDXRFの検出系を利用した高感度検出系とそれを収める堅牢なハードウェア、および計装機器への出力系を搭載しています。石油・オイル・選鉱・食品飲料などに含まれる元素を同時多項目分析し、工程にフィードバックすることで、省力化、自動化、製造コストの削減などに貢献します。
卓上蛍光X線分析装置 イプシロン1たった40×40cmのスペースで元素分析 小型・パワフルな卓上XRF |
Epsilon 4高速で正確なアットラインの元素分析 |
Epsilon Xflow生産プロセスの現場管理 |
Epsilon Xline連続ロール・トゥ・ロール・プロセスのためのインライン制御 |
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測定タイプ | ||||
元素分析 | ||||
汚染物質の検出と分析 | ||||
技術 | ||||
エネルギー分散型X線分析 | ||||
元素範囲 | Na-Am | F-Am | Na-Am | |
最小検出下限 | 1 ppm - 100% | 1 ppm - 100% | 1 ppm - 100% | |
分解能(Mg-Ka) | 135eV | 135eV | 135eV | |
サンプル処理 | 40per 8h day - 80per 8h day | 80per 8h day - 160per 8h day | on-line |