日本生物物理学会(BSJ) – 第56回年会に参加しました
マルバーン・パナリティカルは、2018年9月15~17日 岡山大学で開催された「第56回日本生物物理学会年会」に参加しました。このブログでは、ランチョンセミナー「Taylor分散法による溶液中の蛋由貿のサイズ解析」の要旨、ならびに展示ブースの様子をご報告します。
2日目のランチョンセミナーならびに展示ブースにお越しいただきました皆様に、この場を借りて厚く御礼申し上げます。
ランチョンセミナー :Taylor分散法による溶液中の蛋由貿のサイズ解析
9月16日のランチョンセミナーでは、「Taylor分散法による溶液中の蛋由貿のサイズ解析」と題し、タンパク質の物理的な大きさを溶液中で測定するTaylor Dispersion(TDA)をご紹介しました。Taylor分散法は、またマルバーン・パナリティカルではTaylor分散法の他にもタンパク質・生体高分子の物理的なサイズを測定する装置を保有していますが、その中でも比較的広く知られている動的光散乱法(Dynamic Light Scattering、DLS)、X線小角散乱法(SAXS)、ゲルろ過光散乱法(GPC-LS)と原理と得られるデータの比較についてご紹介しました。
セミナー概要
ランチョンセミナー2LSE 9月16日(日) 11:45-12:35
Taylor分散法による溶液中の蛋由貿のサイズ解析
マルバーン・パナリティカル事業部(スペクトリス株式会社) アジアパシフイツク地域 バイオサイエンススペシャリスト 志波公平
セミナー要旨
「蛋白質はそれぞれユニークな構造を持ち、その構造を保つことによって機能を示すことは広く知られています。そのため、溶液中における蛋白質の情報は、機能との関連性を考える際に重要な情報となります。その中でもサイズ情報は、高次構造の変化を直接的に結びつけることが期待されます。また、溶液中の物性解析の多くは蛋白質問に生じる相互作用の情報を含んでいます。この情報を応用し、産業的、具体的には蛋白質医薬品などには、これらのパラメータを分散安定性の予測に活用したりするケースも増えています。
Taylor分散(Taylor Dispersion)法は1950年代にG.I.Taylorらによって提唱され、1980年代にH. Brennerらによって確立された手法で、キャピラリ内に生じる流体速度分布によって高分子の拡散係数を導く手法です。この手法の特徴はUVによる検出が可能であり、ごく微量で計測できる点にあります。再現性に優れており、1 nm以下のサイズ変化の議論も可能になります。
本発表では、Taylor分散法によるし1くつかのサイズ測定のアプリケーションの紹介と、以下の表にあるDLS、GPC-LS、TDAおよびSAXSについて、それぞれからどのような情報が得られるのかについて、アプリケーション事例を通じて紹介します。」

展示ブース
展示ブースでは、溶液中でのタンパク質の分析装置を中心にした装置とアプリケーションのご紹介を行いました。示差走査型マイクロカロリメーター MicroCal PEAQ-DSC、等温滴定型マイクロカロリメーター MicroCal PEAQ-ITC、微量粘度・サイズ測定装置 ビスコサイザーTD、クロマトと連携した絶対分子量測定を行う OMNISEC、タンパク質の構造測定が可能なX線小角散乱法を搭載したEmpyrean Nano(エンピリアン ナノ)、新製品ゼータサイザー Pro・ゼータサイザーUltraをご紹介しました。
特に、新製品 ゼータサイザー Pro・Ultraのポスターについては、多くのユーザ様にブース前で足を止めていただき、広くお使いいただいているゼータサイザーナノシリーズとの違いについてご質問をいただきました。ゼータサイザーPro・Ultraはその大きさはコンパクトなままに、更に手軽かつ高機能な測定を目指して、ソフトウエアの再設計や光学系の見直しを行っています。
過去の出展情報
過去の出展情報については、こちらをご覧ください。
2017年
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