MicroCal ITC Technical Tip:結合が飽和しない!?のお悩みを解決! データコンバインソフトウェア、MicroCal ConCat ITCのご紹介

ITCの測定では、測定終了時にサンプルセル内のサンプルの結合部位をシリンジサンプル(以下、リガンド)によって飽和させる必要があります。
しかしながら、実際に測定を行うと結合反応が飽和せずに、「追加でリガンドを滴下できたら、、、」と思われたことがあるかもしれません。

そこでご紹介するのが、複数のITCデータをコンバインできる「ConCat ITC」です。
このソフトウェアでは、サンプルセルは入れなおさず、リガンドを飽和するまで追加滴定して得られる、複数のデータファイルを1つにまとめることができます。

先日、英語版Materials Talksで、ConCat ITCの記事が紹介されました。

上段:4つのデータファイルを結合したときのraw ITCデータ
下段:結合したデータをTwo Sets of Sitesモデルでフィッティングしたもの

ConCat ITCは、以下のようなケースで有効です。

  • リガンド濃度が低すぎて(高濃度化できない)セルサンプルの全ての結合部位を飽和できなかった
  • セルサンプルに複数の結合部位があり、準備したリガンド濃度が飽和させるのに不十分であった
  • アフィニティが予想よりも低く、飽和を達成するにはより高濃度のリガンド濃度が必要であった

そこで日本では、この記事を元に、日本語資料をご準備いたしました!皆様のご研究にご活用ください!

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【お役立ちコンテンツ】
MicroCal ITC Tips & Cautions:この溶媒、使えますか?にお答えします

ITC測定で有機溶媒を使用する際の注意点をまとめております。
カロリメーターマスターへの道 Vol.3等温滴定型カロリメーター ITC測定と解析のポイント!

梅雨明けを迎え、冷房を使う機会が益々増えると思います。この季節に増えるお問い合わせが「ベースラインがドリフトするようになりました。システム異常でしょうか?」です。
これは、空調がシリンジ上部の金属部分(タワーと言います)に当たり、その温度変化がシリンジの金属部を介してセル内部に伝わるため起こる現象です。空調を止める。空調の向きを変える。または、タワー部分を段ボール箱で覆って、直接風が当たるのを防ぐ、などでご対応いただきます。

以下の記事では、様々な「???」についての解決のヒントをご確認いただけます。

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