Viscosizer TDの独特な点は、キャピラリフロー中でTaylor分散法とUVエリアイメージングを使用して、溶液中の対象生体分子の生物物理学的特性評価が超微量で可能であることです。

Taylor分散法は本質的に単純な実験手法であり、ナノリットル単位のサンプルパルスを対応する緩衝液の層流に注入します。 UV吸収から得られた濃度の経時変化(テイラーグラム)を分析して、溶液中の分子の拡散係数、さらに分子の流体力学的半径を求めることができます。

Viscosizer TDは、他の手法では測定に干渉する原因となり得る添加剤や界面活性剤の存在下でも、低分子、ペプチド、タンパク質、およびそれらの種類の混合サンプルを全自動で測定し、安定性を分析します。

マイクロキャピラリフローを用いた方法では、ポアズイユ法を使用して、同じサンプルの補完的な相対粘度の測定も行えます。

  • Viscosizer TDは使いやすいシステムであり、温度制御オートサンプラー内でサンプルの保管と調製を行ってサンプルの整合性を確保
  • 柔軟性が高く直感的なソフトウェアインターフェースには、全自動試験のスケジュールとデータ解析の機能があり、無人オペレーションが可能
  • 分子サイズ測定用のサンプル量は40ナノリットル、相対粘度用のサンプル量は6マイクロリットル
  • 1つのサンプルでサイズと相対粘度の両方を3回測定するには、合計で35マイクロリットルのサンプルが必要(余分な15マイクロリットルは回収可能)
  • 分子サイズの測定にUV検出を使用しているため、質量がマイクログラムまでの低濃度で測定が可能
  • 独自のデュアルパスタイミングによる相対粘度測定は、低濃度かつ低粘度で高い再現性を示す高分解能測定
  • Taylor分散法で扱うことができる溶液中の分子サイズ範囲は非常に広く、低分子サイズから、ペプチドサイズ、タンパク質サイズ、これらの種類の混合サンプルのサイズにわたる
  • 候補の検証から初期段階の処方開発に至るまで、タンパク質の安定性評価およびタンパク質の溶解性研究の従来とは異なる手法
  • ペプチドの安定性および溶解性を評価するバイオ医薬品研究者向けの新規手法
  • UV波長を変えることにより、測定感度および分子選択性の最適化が可能
  • 対応するサンプル緩衝液を使用することにより、添加剤および界面活性剤の影響を効果的に無視して測定ができるので、複雑な溶液に含まれる対象生体分子をラベルフリーで特性評価することが可能
  • 測定は、少量の凝集体の存在による悪影響を受けないため、最低限の調製でサンプルの測定が可能で、希釈やろ過は不要

Viscosizer TDは、複雑な溶液に含まれる対象生体分子の構造安定性、自己会合、および溶解性を評価する独自の測定機能を備えています。 主なアプリケーション分野には次のものがあります。

  • 超微量、低濃度のサンプルで、開発初期段階でモノクローナル抗体の開発可能性をスクリーニング
  • 処方開発段階で、複雑な緩衝液中の候補物質を最適化
  • バイオ医薬品の重要品質特性(CQA)の評価
  • ペプチドを主成分とする医薬品の生物物理学的研究を低濃度で実施
  • 生体内に近い条件での医薬品の挙動の理解を促進

MalvernのViscosizer TDは、マイクロキャピラリフローを使用し、UVエリア検出を備えた自動システムであり、溶液中の分子サイズと相対粘度の測定を行います。 この装置本体は3つの主要要素で構成されます。

  • オートサンプラーユニット – サンプルバイアル(および緩衝液、洗浄液、廃液のバイアル)の温度制御された保管場所であり、マイクロキャピラリにサンプル、緩衝液、洗浄薬液を供給します。
  • 検出器ヘッド – 個別の温度制御筐体としてオートサンプラーユニットに組み込まれ、UVイメージングセンサおよび交換可能なキャピラリアセンブリ(2個の検出ウィンドウ付き)があります。
  • コントロールボックス – キセノンランプ、交換可能なUV波長フィルタと、システムの通信、データの収集と送信を処理する電子機器を内蔵しています。


同一のマイクロキャピラリ設定で、溶液中の分子の流体力学的半径、溶液の相対粘度を測定する2通りの実験方法を使用できます。 測定の繰り返しも含め、同一サンプルのサイズと粘度の自動分析が可能です。

流体力学的半径 – Taylor分散法

  • サンプルのUV吸収発色団を検出するUV波長フィルタを選択
  • サンプル測定温度を設定
  • 自動手順を使用して、マイクロキャピラリを洗浄し、対応するサンプル緩衝液を充填
  • 数ナノリットルのサンプルパルスを緩衝液に注入
  • 一定の駆動圧でサンプルパルスがキャピラリを流れ、Taylor分散により広がる
  • サンプルパルスのUV吸光度変化(テイラーグラム)を2か所の固定ウィンドウで検出
  • テイラーグラムの自動データ解析により分子の拡散係数(D)および流体力学的半径(Rh)を決定
  • 繰り返し測定に向けて、自動手順を使用してマイクロキャピラリを洗浄

相対粘度 – ポアズイユ法

  • サンプル測定温度を設定
  • 自動手順を使用してマイクロキャピラリを洗浄し、空気でパージ
  • 一定の駆動圧下で、数マイクロリットルのサンプルプラグをキャピラリに注入
  • キャピラリに沿った2か所の固定ウィンドウで、サンプルプラグが屈折率の変化により検出され、ウィンドウ間の移動時間(Δts)を測定
  • その後、既知の粘度を持つ溶媒または緩衝液(水など)がウィンドウ間を移動する時間(Δtr)とサンプルの移動時間を比較して、サンプルの粘度を計算
  • 繰り返し測定に向けて、自動手順を使用してマイクロキャピラリーを洗浄

測定項目

分子(粒子)サイズ:
UVエリアイメージングを用いたTaylor分散法
相対粘度:
ポアズイユ法

一般

サンプル測定温度範囲:
4~40°C(1)
サンプル保存温度範囲:
4~40°C(1)
最低測定数と保存温度:
20°C(室温以下(2)
最大許容圧力:
0~3000mbar
1回あたりの最大サンプルバイアル数:
50
備考:

(1) NTP条件(室温20°C)での仕様
(2) 到達可能なサンプルの測定温度および保管温度は室温によって異なります

光学系

波長:
200~325nm
ユーザ選択フィルタ:
214nm、254nm、280nm

パラメータ - サイズ

サイズ範囲(流体力学的半径):
0.2~50nm
精度:
5%以下(3)
繰り返し性:
2.5% RSD以下 (バイアル中)
再現性(非連続測定時):
2.5% RSD以下(バイアル間)
再現性(非連続測定時):
2.5% RSD以下(装置間)
試料量:
測定当たりの消費量40nl(代表値)に加えて、15µlのサンプル残量(回収可能)がサンプルバイアルに必要です(4)
備考:

(3) 結果の平均値と基準結果との差の割合
(4) 1つのサンプルでサイズと相対粘度の両方を3回測定するには、合計サンプル量35µlが必要です(残量15µlは回収可能)

パラメータ - 粘度

粘度範囲:
0.9~50cP(またはmPas)
精度:
5.5% RSD以下(5)
繰り返し性:
1% RSD以下 (バイアル中)
再現性(非連続測定時):
2.5% RSD以下(バイアル間)
再現性(非連続測定時):
2.5% RSD以下(装置間)
試料量:
測定当たりの消費量6µlに加えて、15µlのサンプル残量(回収可能)がサンプルバイアルに必要です(4)
備考:
(5) 結果の平均値と基準粘度との差の割合

オートサンプラーユニット(検出器のヘッドを内蔵)

寸法(W x D x H):
480mm x 660mm x 430mm
重量:
43kg

コントロールボックス

寸法(W x D x H):
121mm x 315mm x 331mm
重量:
7kg

使用環境

公称動作電圧:
100/240V、50/60Hz
周囲温度範囲:
16~30°C

Viscosizer TDに多用性および用途特有の機能を付加できるさまざまなアクセサリをご用意しています。

Viscosizer TD

マイクロキャピラリカートリッジ - 未コーティング品とコーティング品

正確なサイズ・粘度分析のためのデュアルパスマイクロキャピラリカートリッジ

Image

マイクロキャピラリカートリッジは、精密ウィンドウが2か所あるプラスチック製インサートにキャピラリ本体が組み込まれた構成で、検出器のヘッドに直接、簡単に取り付けることができます。 2種類のマイクロキャピラリを提供しています。両方とも外側がポリイミドでコーティングされた石英ガラスキャピラリで、定位置に2か所ウィンドウがあります。 汎用キャピラリの内側はコーティングされていません。 もう1種類は、内側がヒドロキシプロピルセルロースでコーティングされており、キャピラリ内壁への付着が実験で扱いにくい問題になるようなサンプル向けです。

バイアルおよびバイアルキャップ

試料の処理および注入

Image

Viscosizer TDに使用できるバイアルは2種類あります。小型バイアルのサンプル容量は250µl、大型バイアルの容量は2ml(緩衝液、洗浄液、および廃液用)です。 インレットバイアルとアウトレット(廃液)バイアルには、固有のバイアルキャップが使用されています。インレットバイアルキャップには、所定の注入圧を保持し、サンプルの蒸発を抑える圧力シールが付いています。

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