カロリメーターマスターへの道 Vol.6 今回からはDSC測定! DSC測定を始めよう!

カロリメーターマスターへの道 Vol.6 今回からはDSC測定!
DSC測定を始めよう!

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ここに登場する人物とストーリーはフィクションです。
テクニカルに関する内容に関しましては、大阪府立大学客員研究員 深田先生にご助言をいただいております。

ページ下の「ダウンロード」ボタンより、本文中に登場する、仲村さんが測定手順をまとめた、
「仲村さんノート VP-DSCの立ち上げ 」がダウンロードできます。


【前回までのお話】
丸番製薬の仲村さんは、上司の田中さんからの指示でカロリメーターを立ち上げることになりました。ITCについては、深田先生の指導の下、測定、解析を行えるようになりました。引き続き、DSCについて職場にもどり、自習をするところから始めました。


【今回のお話】

すでにマニュアルは取り寄せているから、まずはシステムチェックを行って、測定ができる状態かどうかを確認しなくてはならないわね。その前に、システムの洗浄をしなくては。
マニュアルお取寄せ時には使用中のソフトウェアによって内容が異なるため、シリアル番号が必要となります。シリアル番号は、システム本体の後ろに貼り付けてありますラベルをご確認ください。
(右の写真では04.10.228がシリアル番号になります)
お、仲村さん。ついにDSCに着手ですか。
あ、田中さん。そうなんです。iTC200の使用については目処が立ちましたので、今日からVP-DSCを立ち上げようと思っています。
心強いですね。ところで、私もちょっと、ITCについて学んでみたいと思っているのですが、何か概論的なものがまとまった資料ってありますか?
英語の資料になってしまうのですが、マルバーンのホームページで
Isothermal Titration Calorimetry: Theory and Practice
というホワイトペーパーが公開されていました。(ダウンロードにはユーザー登録(無料)が必要です)
ありがとう。早速確認してみますよ。ついでにDSCの資料は、、、
それはこれからなので、見つかったらお知らせします。
お願いしますね。期待してますよ。
そう言って田中さんは実験室から出て行かれました。
まずは情報収集から始めますか。VP-DSCで検索。(マルバーンWebsite VP-DSCのページ)
iTC200と比べるとVP-DSCって、シンプルな形をしているわよね。DSCといえば、やっぱり変性中点温度を求めて安定性を比較するのがメインよね。でもちょっと待って。「最大1020M-1 という、極めて強い結合定数も測定できます。」って書いてある!?ここではシステムの特性については記載があるけど、実際にどのような原理で測定するのかはかかれていないわね。それは「
どのように測定する?
」を見ればよいのかしら。
いろいろ書いてあるけど、変性するときに生じる熱を測定している、ってことよね。その際には吸熱反応が起こる、と。ITCの原理を考えれば、サンプルセルとリファレンスセルに温度差が生じるから、その差をなくすように要した熱量を測定している、ってことよね。技術ページでどのようにデータを解析するか記載があるのね。
うん、想像通り。解析方法は、、、
ん?「熱力学モデルをデータにフィッティングして、、、」とあるわ。ただ単にピークトップを選んでいるのではないのかしら?それにエンタルピー変化がカロリメトリックとファントホッフの2種類がある!?何が違うのかしら?? 思ったよりも複雑!?
とにかく、マニュアルに従って一度システムチェックを行ってみよう。その前に洗浄!
仲村さんは早速マニュアルを一通り確認し、測定をする前に手順をまとめてみました。
(「仲村さんノート VP-DSCの立ち上げ」 下記ダウンロードボタンよりダウンロードできます。)
システムチェック、スタート!
1時間後、仲村さんがシステムの前に戻ると、以下のようなデータが取れていました。
なんかすごいドリフトしているような気がするけど正しいのかしら?そういえば、ITCのときのようにDPはReference Powerをセットしていないから、どの値をとるべきなのかわかっていなかったわ、、、。セルに溶液を入れるだけだから、あまり深く考えていなかったけれど、やっぱり深田先生のところにお伺いして、基礎を積まなければならないみたい、、、
ITCの測定はできるようになった仲村さんですが、DSCでは勝手が違うようです。
次回からは測定の基礎から深田先生の下で学ばせてもらうことになります。

以下の「ダウンロード」ボタンより、本文中に登場した、仲村さんが測定手順をまとめた、「仲村さんノート VP-DSCの立ち上げ」 がダウンロードできます。

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