ポリエチレンテレフタレート（PET）の希薄溶液の粘度

はじめに

Viscotek希薄溶液粘度（DSV）測定システムは、粘度測定を完全自動で行うことができる。 このシステムは、Viscotek Y-501相対粘度検出器、半自動式試料調製（SASP）・注入システム、ソフトウェア、アクセサリを搭載しており、極めて優れた自動制御、安全性、精度、正確性を提供する。 DSVシステムは、本アプリケーションノートで示すように、ポリテレフタル酸エステル（PET）樹脂の溶液粘度の優れた測定結果を提供する。

実験方法

本実験では、o-クロロフェノール（OCP）と3：2の比率のフェノール：TCEという2つの溶媒中でサンプルを解析した。 試料調製は、SASPシステムで熱膨張に対する補正をして、自動的に行った。 実験条件は次のとおりである。温度は30°Cで固定した。 濃度は0.500 g/dLとした。 洗浄と2回の同様の注入を含む1サンプル当たりの全溶媒使用量は50mLであった。 各注入の解析時間は5.5分、解析の平均標準偏差は0.0003 dL/g未満であった。 溶媒投入と試料解析はいずれも閉ループシステム内で行い、溶媒の暴露を最小限に抑えた。

粘度検出器と試料調製システムの両方の精度が分かるように、各バイアルからサンプルを2個ずつ調製し、2回ずつ注入して測定を行った。

結果

PET/OCPサンプルの正確な濃度を表1に示す。 室温での濃度から解析温度での濃度への熱膨張補正の精度に注目してほしい。

サンプルの溶解には、フェノール：テトラクロロエタン（フェノール：TCE）がより優れていることが証明された。 SASP調製システムを使って、各フェノール：TCEサンプルの各体積を調製した。 各バイアルから2回ずつ注入を行った。 ViscotekモデルのY-501相対粘度検出器は、サンプルの溶液粘度の測定を、同時に基準溶媒に対しても行い、それにより温度変動や溶媒変化による誤差を防ぐ。

表2は、OCPサンプルに対するY-501粘度検出器の正確度と精度の詳細を示している。表3は、60%フェノール/40%TCE中で測定したサンプルに対するデータを示している。 各測定内での再現性に注目してほしい。