基本的な粒度分析ガイド-1
粒子特性分析の基本ガイド
序論
本ガイドの目的は、業界や学術分野で現在利用されている主要な 粒子特性分析技術に関する基礎的な教育を提供することにあります。 粒子特性分析理論や測定に関する事前知識がないことを前提として 粒子特性分析粒子やこの分野の知識を広げたい人々に適した ガイドです。本ガイドは読者の要望に最も適した粒子特性分析 技術が何かを判断するための簡単な参考であるだけでなく、 粒子特性分析入門基礎、粒子特性分析理論および測定について 扱っています。
粒子とは何か?
最も基本的なレベルでの粒子とは、物質の個別の下位部分 として定義できます。本ガイドの目的に従って、私たちは1 ナノメーター未満のサイズから数ミリメートルのサイズにわたる範囲の物理的 次元を持つ固体粒子、液滴(液体滴)または気胞(ガスバブル)を 含むように粒子の定義を制限します。
粒子で構成されている最も一般的なタイプの物質は次のとおりです。
• パウダーおよび顆粒剤(例:顔料、セメント、薬学成分)
• サスペンション、エマルションおよびスラリー(例:ワクチン、牛乳、鉱業 泥土)
• エアロゾルおよびスプレー(例:喘息患者用吸入器、 作物保護スプレー)
粒子特性を測定する理由は何ですか?
多くの産業分野で通常、粒子特性分析を利用する理由は大きく 二つあります。
1. 製品品質管理の向上
グローバル経済の競争が激化する中で、製品品質管理の向上は実際に 以下のような経済的利益をもたらします。
• 製品により高いプレミアムを付加
• 顧客の拒否率および注文損失の減少
• 規制を受ける市場での規則遵守証明
2. 製品、成分およびプロセスに関する理解の向上
製品の品質管理と共に、粒子特性が製品、成分およびプロセスに どのように影響を与えるかについて理解が深まることで、
• 製品性能を向上させ、
• 製造および供給問題を調整し、
• 製造プロセスの効率を最大化し、
• 生産量を増加させるか、収益性を向上させ、
• 競争で先を行くことができるようになります。
粒子特性の中で重要な測定対象は何か?
化学組成に加え、細粒子材料の性質もまた 構成粒子の物理的特性によりしばしば影響されます。これは広範囲にわたる 物質特性、たとえば反応および溶解率、成分がどれほど容易に 流動して混合するか、または圧縮率および摩耗性を含め、物質特性に 影響を与える可能性があります。製造と開発の観点から測定対象の特性の中で 最も重要な一部の物理的特性は以下の通りです:
• 粒度
• 粒形
• 表面特性
• 力学的特性
• 電荷特性
• 微細構造
注目する物質によって、上記の物理的特性の一部または全てが 重要でありうることがあり、相互に関連性を持つことさえあります(例:表面積 および粒度)。本ガイドの目的として、私たちは最も重要かつ測定しやすい 二つの特性 – 粒度および粒形に重点的に説明します。
粒子特性
粒子サイズ
微粒子サンプルの最も重要な物理的特性は粒度です。粒度測定は 幅広い産業分野で通常行われ、多くの製品の製造において重要なパラメータになることが多いです。粒度は次の物質特性に 直接的な影響を与えます:
• 反応性または溶解率(例:触媒剤、錠剤型薬)
• サスペンションの安定性(例:沈殿物、ペイント)
• デリバリー効率(例:喘息用吸入器)
• 触感および質感(例:食品成分)
• 見た目(例:パウダーコーティングおよびインク)
• 流動性および取り扱い(例:顆粒剤)
• 粘性(例:鼻スプレー)
• 充填密度および多孔性(例:セラミック)
粒度を測定し、それが製品とプロセスにどのように影響を与えるかを 理解することは、多くの製造業の成功において重要な役割を果たすことが あります。
粒度をどのように定義するのか?
粒子は3次元オブジェクトであり、粒子が完全な球形でない場合(例:エマルション または気泡)には、半径または直径のような1次元の数値で粒子を完全に 説明することはできません。
測定プロセスを簡略化するために、しばしば等価球(equivalent spheres)の概念を使用して粒度を定義することが便利です。この 場合、たとえば体積や質量といった実際の粒子と同じ特性を持つ等価 球の直径で粒度を定義します。異なる測定技術はそれぞれ異なる等価 球のモデルを使用し、したがって粒子直径に関して完全に同じ 結果を得る必要はないことを理解することが重要です。

等価球の概念は規則的形状の粒子に対しては非常にうまく 適用されます。しかし、少なくとも1次元のサイズが他の次元のサイズと 大きく異なることができるニードルや板状の不規則な形状の粒子に 対しては常に適合するわけではありません。

上記の図に示された棒状の粒子の場合、体積等価球は198μm の粒子直径を持ちますが、この記述は実際の寸法から見るとそれほど正確ではありません。しかし、私たちはまた360μmの長さと120μmの幅を持つ 同じ体積の円筒としてこの粒子を定義することができます。このようなアプローチは粒子のサイズをより正確に記述し、例えばプロセスや 取り扱い中にこれら粒子の特性をよりよく理解できるようにします。
多くの粒子サイズ測定技術は単純な一次元の球等価測定 の概念に基づき重要なアプリケーション分野に対しては完全に 十分です。2次元またはそれ以上の次元で粒度を測定する ことが時には望ましいことがありますが、一部の重要な測定やデータ 分析課題を生む可能性があります。したがって、私たちのアプリケーション分野に 最も適した粒子サイズ測定技術を選択する際には慎重に考慮することを推奨します。
粒度分布
分析しようとするサンプルが完全に単純な分散形態でない場合、つまりすべて の単粒子が正確に同じ寸法を持たない場合、サンプルは異なる サイズの粒子の統計分布を持つことがあり、このような分布は頻度分布 曲線または累積(アンダーサイズ)分布曲線のいずれかの形で表すのが 通常です。
重み付け分布
粒度分布は各粒子の重み付けに対して異なる方法で表すことが できます。重み付けの方法は使用される測定原理によって異なります。
数(number)重み付け分布
画像分析などのカウンティング技術では、それぞれの 粒子のサイズにかかわらず同じ重み付けが与えられる数重み付け分布が 提供されます。これは粒子の絶対数を知ることが重要である場合(例:外部粒子検出)や(個別に)高解像度が要求される場合に最も頻繁に使用 されます。
体積重み付け分布
レーザー回折のような静的光散乱技術では体積重み付け分布が 提供されます。ここで、各粒子の寄与はその粒子の(密度が均一であれば質量と同じ)体積に関係し、相対的な寄与はサイズの3乗に比例します。これは体積/質量の観点からサンプルの構成を反映し、それに応じて潜在的なコストも反映されるため、商業的な観点から非常に有用です。
光強度重み付け分布(Intensity weighted distributions)
動的光散乱技術では光強度重み付け分布が提供されます。この 分布においては各粒子の寄与は当該粒子によって散乱された光の強度に関係します。
例として、レイリー近似を使用すると、非常に小さい粒子に対する相対的な寄与はサイズの6乗に比例します。同じサンプルを異なる技術で測定した粒度データを比較する際に、測定して記録された分布のタイプによって非常に異なる粒径結果が出る可能性があることを知ることが重要です。
同じ数の5nmと50nmの直径を持つ粒子で構成されたサンプルについて、下記の例を通じてこれが明確に示されています。
数量重み分布ではより細かい5nmの 粒子の存在を強調し、上記の2種類の粒子に同じ重みを与える一方で、大きい50nmの粒子には強度重みに対して百万倍以上の信号が表れます。体積重み付け分布は上記2つの中間です。

同一サンプルに対する数量、体積および強度重み粒度分布の 例示
粒度データを一つの分布タイプから別の分布タイプに変換することも 可能ですが、そのためには粒子の形状およびその物理的特性に関する 特定の仮定が必要です。例えば画像分析を用いて測定された 体積重み粒度分布がレーザー回折で測定された粒度分布と必ずしも 完全に一致すると期待してはいけません。
分布統計
「世の中には三つの種類の嘘がある。すなわち嘘、真赤な嘘、 そして統計である。」-トウェイン、ディズレーリ
粒度分布データの解釈を簡略化するために、多様な統計パラメータが計算され記録されることができます。任意のサンプルに最適な統計パラメータの選択は、データがどのように使用され何と比較されるかによって異なります。例えば、サンプルで最も一般的な粒度を記録したい場合は次のパラメータの中から選択するとよいです。
•平均(mean) – 集団の「平均」サイズ
• 中央値(median) – 集団の50%未満/超過のサイズ
• 最頻値(mode) – 最も高い頻度を持つサイズ
多くのサンプルでよく見られるように、粒度分布の形が非対称な場合、この三つの値は下記に示されるように正確には同じではないことがあります。

平均
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