概要
SciAps X-505は、これまでに製造されたハンドヘルドX線分析装置の中で最小、最軽量です。X-550に次ぐ速度を誇ります。
重量は電池を含めても2.8 lbで、SciAps Xシリーズの小型、超高速、高精度を体現している完璧にバランスのとれた装置です。アルミニウムを含むすべての合金を高速で分析します。
X-505は、最先端の設計と優れた放熱性能により、最も暑い気候においても、過熱によるダウンタイムを必要とせず、終日稼動できます。

アプリケーション
-
- NDT-PMI
-
ほとんどの合金に対して、1秒で優れた精度のPMIを実施。
電池を含めても2.98 lb。PMI作業の大部分は、一般的なステンレス、Cr-Mo鋼、低合金鋼に加え、ニッケル、チタン、コバルトベースの合金のような高温合金、超合金、さらにタングステンカーバイド、スズ鉛はんだ、ジルコニウム合金などの特殊合金などを対象としています。X-505は、グレードと化学組成を1~2秒のうちに優れた精度で検証します。
合金アプリの残留物
Ni、Cr、Cuの含有量を0.01~0.02%まで測定し、3つの元素の合計が0.15%未満であることを確認します。VとNbの両方が0.02%未満であるという最新の要件も満たします。
合金アプリの硫化腐食
X-505は、内部形状が最適化されているので、硫化腐食アプリケーションにおいて0.1%未満の鋼中シリコンを測定します。
- スクラップ処理
-
アルミニウム合金の分別に大きな進歩。従来X線ではアルミニウム合金の分別が困難でした。X線ガンの多くではマグネシウム(Mg)の測定が不十分で、アルミニウム合金を正しく分別するためにはMg分析が重要であるためです。X-505は、Mgとシリコン(Si)に対して感度が最適になるように設計されました。その結果、アルミニウム合金の多くの複雑なグレードを正確に分別できる分析装置となりました。
高温合金や貴金属に最適
X-505は、XRF分析装置の多くと同様に、幅広い高温合金、ステンレス、赤色金属、貴金属の化学組成を高速かつ正確に提供します。
トランプ元素
スクラップ処理では、単なるグレード識別以上のものが求められるようになりました。一般的な鋼、ニッケル、銅合金のトランプ元素や残留元素の分析で需要が高まっています。X-505は、鋼中のCr、Ni、Cu、V、Nb、Mo、ニッケル合金中のPbとBi、銅合金中の望ましくない各種元素など、一般的なトランプ元素の低い検出限界用に最適化されています。
- 鉱業
-
探査および鉱石グレード管理のアプリケーションに対応しました。探査およびパスファインダーアプリケーションの元素分析の詳細については、お問い合わせください。SciAps XRF分析装置は、世界中の多くの主要な探査会社や鉱業研究サービス会社で使用されています。クローズドビーム操作用のコンパクトな試験スタンドも合わせてご用意しています。
- 土壌
-
X-505は環境土壌の元素分析に対応できます。分析パッケージには、8種類のRCRA金属と、12種類のEPA優先汚染物質金属のうち11種類の金属(ベリリウムを除く。ベリリウムには当社のZ-903 LIBS装置をご使用ください)が含まれています。X-505には、長年使用されているEPA Method 6200を採用しています。
- RoHSアプリケーション
-
X-505は近日中に当社のRoHSおよびハロゲンフリーアプリケーションで使用可能になります。RoHS元素であるPb、Cd、Br、Cr (全クロム)、Hg、Cl (ハロゲンフリー要件用)を高速かつ高精度で分析します。
- 一般分析
-
独自の分析アプリケーションをお持ちの場合は、X-505はEmpiricalアプリを搭載できます。これにより、独自にビーム条件を設定し、対象とする個々の元素を定義し、カスタムキャリブレーションを作成できるようになります。合金、鉱石、ポリマー以外の分野の分析要件に対しては、X-505とEmpiricalアプリを組み合わせて極めて高い柔軟性を実現することで、独自の、または専有的な分析要件に対応します。
簡単な比較: X-550とX-505
プレミアムX-550モデルと高性能X-505モデルでは、どのような違いがあるのでしょうか。 答えは簡単です。Mg、Al、Si、P、Sなどの低原子番号元素における速度です。
X-550は、「ビーム2」の設定(低電圧設定とも呼ばれる)で、X-505や他のハンドヘルドXRF分析装置の約3倍のX線出力で動作します。 これは、Mg、Al、Si、P、S(他のアプリケーションではK、Ca、Clも)の測定強度が3倍になり、測定速度が3倍になることを意味します。以下に、一般的な例を示します。
アプリケーション | X-550 | X-505 | コメント |
---|---|---|---|
アルミニウム合金中の0.3%のMgを測定 | 2秒 | 7秒 | Al 356を357から分別する場合など。 |
鋼中の0.1%のSiを測定 | 6秒(ビーム1で1秒、ビーム2で5秒) | 16秒(ビーム1で1秒、ビーム2で15秒) | 硫化腐食、鋼中に0.1%超のSiが必要。 |
鋼またはステンレス中のPとSを測定 | 同じ濃度レベルではX-505より約3倍高速。 | -- | 実際の試験時間は、PとSそれぞれの濃度レベルに依存します。 |
鉱業サンプル中の原子番号の小さな元素を分析 | Mg、Al、Si、P、S、Ca、KをX-505の3倍の速度で測定。 | 他のハイエンドXRF分析装置と同等の速度で、これらの元素を正確に測定。 | X-550は、主要な金属、硫化物、汚染物質としてのPを高速で試験します。 |

接続性とAndroid
XシリーズはGoogleのAndroidプラットフォーム上に構築されており、世界中どこにいても、データをリアルタイムでエクスポートできます。
ユーザーインターフェースは、スマートフォンのような操作感を備えています。鮮やかなディスプレイで結果を見やすく表示し、ライト/ダークモードの切り替えにより、あらゆる照明条件に対応します。
Wi-Fi、Bluetooth、GPS、USBを内蔵しているため、X-505で印刷と電子メールの送信ができます。実質的にあらゆる情報管理システムに接続して、効率的な試験データ管理とレポート作成が可能です。
