全散乱

全散乱または対相関関数分析の分析技術

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不規則系材料

全散乱または対相関関数分析(PDF)は、完全な粉末XRDパターンを使用して、不規則物質の構造情報を導き出す分析技術です。 ブラッグ散乱と基礎となる散漫散乱の両方が特定されます。 対相関関数技術は、全散乱分析とも呼ばれます。 X線ディフラクトグラム中のブラッグピークから、原子の長距離秩序を推定できます。 短距離秩序(局所原子構造)は、ディフラクトグラム中の広範な、定義が明確でない特性に存在します。 この局所構造は、原子対相関関数により、定量的に説明されます。

対相関関数(PDF)解析の用途

対相関関数解析は、本質的に無秩序な材料の構造特性評価に適用されます。 このような材料の性質は、非結晶質、低結晶性、ナノ結晶性、またはナノ構造などです。 通常、次のようなサンプルがあります。

  • ナノ粉末
  • ガラス
  • ポリマー
  • 薬剤成分
  • 液体

PDF関数自体は、非晶質物の指標として、製薬業界でも使用されています。 その他のPDF解析の魅力的な固体化学研究分野として、固体電解質型燃料電池(SOFC)、磁性材料、MOF、ゼオライト、リチウムイオン電池材料などのエネルギー関連材料の研究があります。

対相関関数(PDF)の特定と解析

測定したX線ディフラクトグラムからの、いわゆる構造関数は、初期の基本データ整理手順に従って決定されます。 次に、フーリエ変換により原子対相関関数が計算されます。 対相関関数は、調査中の材料の中の、一定の距離で隔てられている2つの原子を見つける可能性を説明します。 次に、ソフトウェアを使用して、決定したPDF関数に最適な構造モデルを特定します。

対相関関数(PDF)測定の要件

局所原子構造の目的の空間分解能を取得するために、次の要素を使用してPDF解析のデータ取得を実行する必要があります。

  • 可能な限り大きな最大回析角度(大きなQレンジ)
  • 短波長X線の使用(高エネルギー放射線)
  • 極めて優れた計数統計
  • 最適なバックグラウンド抑制

これらの厳しい要件により、最近までこの技術は、ほとんどの場合においてシンクロトロン放射線源からの高品質なX線ビームに依存していました。 多くの場合、大規模施設へのアクセスは困難で、時間もかかります。 このため、事前に実験室で、候補となるサンプルにプレスクリーニングを実行することが推奨され、場合によっては必須となります。

実験室での対相関関数(PDF)解析用Malvern Panalyticalソリューション

Empyrean多目的X線回析プラットフォームは、PDF解析の全散乱実験用に設定可能です。

この設定では、次の要素を使用します。

  • シルバーまたはモリブデンX線管
  • 入射ビーム集束ミラーまたはスリットコリメーションシステム
  • キャピラリースピナー
  • ハイブリッドピクセル検出器(GaliPIX3D)、ライン検出器(X’Celerator)
  • バックグラウンド抑制用散乱防止キット

極めて無秩序で完全な非晶質物に対して有意義な結果を得るために不可欠な、清浄で特徴のないバックグラウンドを実現することに多くの関心が寄せられてきました。

Malvern Panalyticalシステムによって取得した実験データは、シンクロトロン結果と比較できます。 測定された生データは、無料で入手できるPDF解析ソフトウェアパッケージにより処理され、更に解析されます。