概要
Micromeritics ICCSの触媒の移動が不要な触媒特性評価システムは、精密制御されたプロセス代表条件下で、活性部位の数など重要なパラメータに対する反応の影響を調査できる高度な触媒特性評価ツールです。
Micromeritics Flow Reactorなど、ラボのあらゆる動的反応器システムを補完するよう作られた独立型アクセサリのICCSには、2つの新しい機能が追加されています。昇温分析(TPx)とパルス化学吸着
このような有名で実績のある技術を、今、新しい触媒に実施し、反応器から材料を取り除くことなく使用済み触媒に対して繰り返すことができるようになりました。これにより、特に使用前/使用後の活性部位数など、触媒の詳細な比較が可能となります。反応研究に使用した試料と同じアリコートで、昇温分析とパルス化学吸着分析の両方のデータを得ることができます。
これらの分析が触媒を動かさずに実行できることで、活性触媒の損傷や、データの完全性を損ねる可能性のある大気ガスや湿度からの汚染を実質的に排除します。
2018年にPIDがMicromeriticsの傘下に入り、ICCSをはじめとする同社の特許技術がポートフォリオに加わりました。MicromeriticsとPIDは、2025年にMalvern Panalyticalの関連会社となり、数々の優れた機器をグループの材料特性評価ソリューションに取り入れています。

特長
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高精度な完全自動化ガスフロー制御用の2つの高性能マスフローコントローラでTPx分析とパルス化学吸着分析を実施
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同一試料を使用し、1つの触媒で複数の特性評価が可能な完全密閉型in-situ試験
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高精度熱伝導率検出器(TCD)が試料反応器に出入りするガスの濃度変化をリアルタイムで監視
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わかりやすく合理的な操作を実現し、アラームやコマンド、制御パラメータの視覚化や編集を簡単に行えるタッチスクリーン、直感的なソフトウェア、グラフィカルなインターフェース
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不活性で安定した使用環境を実現し、結露を低減する温度制御されたステンレス鋼製フロー経路。2つの内部温度制御ゾーンは独立して操作可能。
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酸化物の還元で生成される水など、凝縮性流体を除去する追加温度制御ゾーンを備えた内部冷却トラップ
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超低容量フロー経路がピークの広がりを最小限に抑え、ピーク分解能を大幅に向上
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耐食性検出フィラメントで、最も一般的に使用されているTPx分析、パルス化学吸着ガス分析にも耐久性に優れた互換性を実現
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インタラクティブなピークエディタパッケージで、データから情報に簡単に変換。選択してクリックするだけの操作でピーク境界を調整。

動作原理
ICCSの一般的な操作は、反応器に触媒を投入することから始まります。その後、昇温法で触媒の特性を評価します。
- 担持金属触媒には、通常、昇温還元法(TPR)が使用されます
- 昇温脱離法(TPD)は、酸性触媒や塩基性触媒に最適な選択肢となります
多くの場合、TPx分析に続きパルス化学吸着分析を行い、活性部位の数を測定します。このようにTPxやパルス滴定を使用して、代表的な条件下(特に高圧下)で新しい(未使用の)触媒の評価を行います。
最初の特性評価を行った後は、触媒の追加や別の装置への移動なく、全く同じ試料を使用して反応調査を進めることができます。
不活性化後、または長期間の試験を経たのち、新しい触媒と同じように、同一条件でTPx分析やパルス化学吸着分析で使用した触媒の分析が可能です。この手法で反応器から触媒を取り除くことなく、使用前/使用後の活性部位の数といった触媒の主要特性の比較が可能となります。
